ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)で世界6000年の美術史を歩く
6月23日は、帰国の前日。
最後の第10のお題は、「ロサンゼルスの文化や芸術・美術に触れよう!」
で、ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)に行ってきました。

ロサンゼルス観光でぜひ訪れたい文化施設が、**ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA:Los Angeles County Museum of Art)**です。1965年に開館したアメリカ西部最大級の美術館で、所蔵作品は約14万点。古代文明から現代アートまで、約6,000年に及ぶ世界の美術史を一度に鑑賞できる美術館として知られています。
LACMAの魅力は、作品を単純に国別に並べるのではなく、時代の流れに沿って展示している点です。館内を歩くだけで、人類の文明や芸術がどのように発展してきたのかを自然と学ぶことができます。まるで世界史の教科書の中を歩いているような感覚でした。
まず最初に目に飛び込んでくるのが古代エジプト文明の展示です。

紀元前3000年頃の彫刻や石碑、ミイラを納めた豪華な棺(サルコファガス)、神々を表した像などが展示され、当時の人々の宗教観や死後の世界への信仰が伝わってきます。
中でもライオンの体と人間の顔を持つスフィンクス像は圧巻でした。古代エジプトでは王権や神聖さの象徴とされ、約4,000年以上前に制作されたとは思えないほど精巧な造形に驚かされます。
続いて展示されているのは、古代ギリシャ・アテネ時代の芸術です。
ここでは大理石の彫刻や青銅像が数多く展示され、人間の筋肉や表情までリアルに表現した彫刻技術の高さに目を奪われます。

古代ギリシャでは「人間そのものの美しさ」が芸術のテーマとなり、現在の西洋美術の基礎がこの時代に築かれました。哲学者ソクラテスやプラトンが活躍した時代でもあり、美術と学問が大きく発展したことを実感できます。
時代は一気に19世紀後半へ進み、印象派の展示になります。
ここでは誰もが知るフランスの巨匠クロード・モネの作品が展示されています。
代表作の「睡蓮」をはじめ、柔らかな光や水面の反射を描いた作品は、それまでの写実的な絵画とはまったく異なる世界を作り出しました。

モネは「時間によって変わる光」を描くことに挑戦し、一日の中でも朝・昼・夕方で異なる光の表情をキャンバスに残しました。
その透明感のある色彩は、実際に目の前で見ると写真では伝わらない美しさがあります。
同じ印象派ではルノワールやドガ、セザンヌなどの作品も展示され、西洋絵画が近代へ移り変わる過程を知ることができます。
20世紀へ入ると、世界的天才画家パブロ・ピカソの作品が登場します。
ピカソは約2万点以上の作品を残した20世紀最大の芸術家ともいわれ、「キュビスム(立体派)」という新しい表現方法を確立しました。

人物を様々な角度から同時に描く独特の画風は、それまでの絵画の概念を大きく変え、世界中の芸術家へ多大な影響を与えました。
作品を見ていると「何を描いているのだろう」と考えながら鑑賞する楽しさがあり、芸術の自由さを感じます。
LACMAでは西洋美術だけではありません。
日本美術の展示も非常に充実しており、江戸時代を代表する浮世絵師葛飾北斎や歌川広重などの作品も展示されています。

北斎の代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は世界で最も有名な日本美術の一つで、大きくうねる波と遠くに見える富士山は、日本人以上に海外で高く評価されています。
また、広重の風景画はヨーロッパの印象派画家にも影響を与え、「ジャポニスム」と呼ばれる日本文化ブームを生み出しました。
日本の浮世絵がモネやゴッホなど世界的画家へ影響を与えたことを知ると、日本文化の偉大さを改めて感じます。
最後は現代美術エリアです。
映像作品や巨大オブジェ、抽象芸術など、「これも芸術なのか」と考えさせられる作品が数多く展示されています。

芸術には決まった答えはなく、見る人それぞれが自由に感じることが現代アートの魅力なのだと実感しました。
館外では、LACMAのシンボルともいえるクリス・バーデンの代表作「Urban Light」が来館者を迎えてくれます。

1920~30年代にロサンゼルス市内で実際に使用されていた202基の街灯を修復・再配置したインスタレーション作品で、現在ではロサンゼルスを代表するフォトスポットとなっています。昼間の整然とした美しさも見事ですが、夜にライトアップされる幻想的な光景は特に人気があります。
今回訪れて最も印象に残ったのは、「古代文明から現代アートまでを一つの建物の中で時系列に体験できる」ということでした。エジプト文明、ギリシャ彫刻、印象派、ピカソ、日本の浮世絵、そして現代アートへと歩みを進めることで、美術史だけでなく、人類の歴史や文化の発展まで学ぶことができます。
ロサンゼルスを訪れる機会があれば、ぜひ時間をかけてLACMAを歩いてみてください。芸術に詳しくない方でも、展示を順番に見ていくだけで世界の文化や歴史を楽しく学べる、美術館以上の価値がある場所だと感じました。
【LACMA(ロサンゼルス・カウンティ美術館)基本情報】(チャッピーより)
今回訪れたLACMA(Los Angeles County Museum of Art)は、ロサンゼルス中心部の「ミラクル・マイル」地区に位置し、世界各国から年間多くの観光客が訪れるアメリカ西部最大級の美術館です。館内へは時間指定の事前予約チケットの購入がおすすめで、人気の時間帯や特別展は当日券が売り切れる場合もあります。公式サイトからオンライン予約をしておくと、QRコードでスムーズに入館できます。
2026年6月現在の一般入館料は、ロサンゼルス郡外からの来館者は大人30ドル、65歳以上のシニア26ドル、学生26ドル、3~17歳は15ドルです(料金は変更される場合があります)。
所在地は、Los Angeles County Museum of Art (LACMA)
5905 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA 90036。ハリウッドやビバリーヒルズから車で約15分、隣にはラ・ブレア・タールピット博物館もあり、あわせて観光するのもおすすめです。
公式ホームページ
LACMA公式サイト
事前予約・チケット購入
LACMAチケット予約ページ
私が訪れた際も、LACMAのシンボル「Urban Light」をはじめ、古代エジプト文明から現代アートまで約6,000年にわたる美術史をゆっくり鑑賞することができました。ロサンゼルスを訪れるなら、芸術・歴史・建築を一度に楽しめる、ぜひ立ち寄りたいおすすめスポットです。